赤ちゃんの誕生を控えて、出産前の準備を進めることは、大切なステップです。今回は、パパとママに出産前に必要な情報とスケジュール、さらにそれに合わせて必要な買い物リストをお知らせします。これらの準備は、出産後の生活をスムーズかつ快適にするために役立ちます。ご一緒に準備を進めながら、赤ちゃんを迎える喜びと安心感を共有しましょう。
※出産する人をママ、パートナーをパパと表記しています。
出産までのスケジュールと体調の変化を確認しよう
出産はママがするものという固定概念を持っていませんか?
出産は家族の一大イベントです。ママに一番近いパパには、ママの状態がどういうふうに変化するのか知るだけでも、対応が全く違ってくると思います。特に、共働きでご両親が遠方にいると、助けてくれるパパの力は絶大です。もちろんご両親の助けが得られるときは積極的に得るべきですが、ママが一番助けて欲しいのはパパであることに間違いありません。
出産前の準備は、妊娠の進行や個人の状況によって異なる場合がありますが、概略としては以下のようなタイミングで行われます。
妊娠初期(妊娠15週くらいまで)
体系的な変化はあまりありませんが、体内では新しい命が生まれ、ホルモンのバランスなども影響し、体調が大きく変化します。人によって、つわりやおなか周りや腰のあたりが重かったり軽かったりしますが、動けなくなることもあるので、パパにはその状況を知っておいてもらいましょう。
つわりに対する対応
- つわりは個人差がありますが、強いにおいや高温多湿の場所で症状が悪化することがあります。周囲の環境に気を配り、可能な限り快適な場所で過ごすようにしましょう。
- 仕事や日常生活の中で、別の業務への交代や頻繁な休憩を取ることで、つわりの症状を軽減できる場合があります。上司や同僚とコミュニケーションを取り、労働条件の調整を依頼してみてください。
- マスクの利用は、においに敏感な時期に役立ちます。においの強い場所や調理中の匂いを避けるため、マスクを着用することを検討してください。
お腹の張りや腰の重さに対する対応
- 長時間の立ち仕事や重いものの持ち運びなどが原因でお腹が張る場合、こまめな休憩や姿勢の変換を心掛けましょう。定期的に軽いストレッチや歩き回ることで、血液循環を促進することができます。
- 腰の重さを感じる場合は、適度な運動や腰を支えるための姿勢の改善が重要です。妊娠専用のサポートベルトやクッションを利用することで、腰への負担を軽減できるでしょう。
トイレ頻度の増加や便秘に対する対応
- トイレ頻度の増加は妊娠による子宮の圧迫やホルモンの変化が原因です。トイレが近くなることを予測し、外出時にはトイレの位置を確認しておくことが重要です。
- 便秘気味になる場合は、食物繊維を豊富に含む野菜や果物、全粒穀物を積極的に摂取しましょう。適度な水分摂取も便秘の予防に効果的です。また、医師の指導のもと、適切な運動や便秘薬の使用も検討してください。
これらの対応策は、一般的なケースに基づいていますので、個人の状況や医師の指示によって適宜調整が必要になります。また、妊娠中に症状が悪化したり、心配な症状が現れた場合は、早めに医師に相談することをおすすめします。
この時期にやっておくことは。。。
- 妊娠を確認したら、どこで産むか、里帰りするかなどを考えておきます
- 仕事をしていれば、会社の制度や申請方法は忘れず確認しておきます
- 健康保険証やマタニティパスポート(もしあれば)を準備しておきます
- 体系が徐々に変わるため、妊婦服やマタニティブラなど、妊婦としての生活を快適に過ごすための服やグッズを揃えておきます
- 食べられないことも念頭に、ビタミン、カルシウム、葉酸など、必要な栄養素を十分とれるように食生活を考えます
妊娠中期(妊娠16週から27週まで)
妊娠中期は安定期に移行しますが、お腹も大きくなるので、注意が必要です。
貧血に対する対応
- 妊娠中は血液量が増えるため、鉄分やビタミンB12などの栄養素がより必要とされます。バランスの良い食事を心掛け、鉄分が豊富な食品(赤身の肉、レバー、ひじき、ほうれん草など)を摂取しましょう。
- 鉄分補給のためにサプリメントを利用する場合は、医師と相談して適切な摂取量を確認してください。過剰摂取は逆に問題を引き起こす可能性があります。
手足や顔のむくみに対する対応
- むくみは妊娠中によく見られる症状です。体液の循環が滞ったり、子宮の圧迫が原因となることがあります。
- 長時間の立ち仕事や座りっぱなしの時間を避けるようにしましょう。定期的に休憩を取り、足首を回したり足を上げて血流を促進させる運動を取り入れましょう。
- 食事において、塩分摂取を控えめにすることも大切です。塩分は水分の滞留を引き起こす可能性がありますので、バランスの取れた食事を心掛けましょう。
医師の指示を受ける
- 妊娠中の貧血やむくみには個人差がありますので、具体的な対策や治療方法は医師の指示に従ってください。定期的な妊婦健診に積極的に参加し、医師とのコミュニケーションを大切にしましょう。
- 医師からの処方やアドバイスに従って、必要なサプリメントや適切な治療を受けることが重要です。
以上のアドバイスは一般的なケースに基づいていますので、個人の状況や医師の指示によって適宜調整が必要になります。
この時期やっておくべきことは。。。
- 出産予定日や産院の選定を検討し、必要な手続きや予約を行います。
- 赤ちゃんのためのベビーグッズを準備します。具体的なアイテムは後述しますが、ベビーベッドやベビーカーなどの大型のアイテムはこの時期に選ぶことが多いです。出産祝いで貰えるなら、先に相談しておいたほうが無難です。
妊娠後期(妊娠28週から出産まで)
出産が近づくと、背中や腰の痛み、胸やけ、動機・息切れ、頻尿などが出てくる場合があります。
背中や腰の痛みに対する対応
- 妊娠後期では、子宮が成長し腹部の重さが増すため、背中や腰の痛みがよく見られます。適切な姿勢を保つことが重要です。
- 長時間の立ち仕事や座りっぱなしの時間を避け、定期的に姿勢を変えるようにしましょう。背中を丸めたり、無理なく体勢を変えることで負担を軽減できます。
- サポートベルトを使用することも考慮してください。腹部や腰をサポートすることで、痛みを和らげる助けとなります。
胸やけに対する対応
- 妊娠後期には、子宮の成長により胃が圧迫されることが多く、胸やけが起こりやすくなります。胃酸が逆流して起こる症状です。
- 小さな食事を軽く摂ることや、食事後に寝るのを避けるなど、食事と姿勢に注意しましょう。また、背もたれを備えた椅子に座って食事を摂ると、消化を助けることができます。
動機・息切れ、頻尿に対する対応
- 妊娠後期では、子宮が拡大し膈膜を圧迫するため、呼吸が浅くなり動機や息切れを感じることがあります。ゆっくりと深呼吸をすることや、無理な運動や長時間の激しい運動を避けましょう。
- 頻尿は妊娠後期によく見られる症状です。適度な水分摂取は必要ですが、就寝前に大量の水分を摂ることを避けるなど、夜間の頻尿を軽減するための工夫をしましょう。
医師の指示を受ける
- 妊娠後期の症状には個人差がありますので、医師の指示に従って適切な対応を行ってください。定期的な妊婦健診に参加し、状況や症状の変化について医師と相談しましょう。
以上のアドバイスは一般的なケースに基づいていますので、個人の状況や医師の指示によって適宜調整してください。
この時期にやっておくべきこと。。。
- 産前健診や準備クラスへの参加を予定しましょう(コロナ中はやっていなくても、最近再開しているところも多いので、早めに確認をしましょう)
- 出産に向けての計画を立てます。出産方法や希望する分娩プランを相談し、産院との連絡を取ります。
- 身体的性別が判明すれば、必要なベビーグッズを購入します。
- 産前休暇や手続き、仕事の調整を行います。
- 赤ちゃんにクラシックまたは胎教に良い音楽や、絵本の読み聞かせをしましょう。ママのリラックスとともに、既にこの頃から赤ちゃんはとても速いスピードで進化していますので、様々な刺激を少しずつ与えていきましょう。
準備のタイミングは個人のスケジュールや状況によって異なりますが、妊娠後期(妊娠28週以降)までには準備が整っていると良いでしょう。十分な時間を確保し、焦らずに準備を進めてください。
出産前に考えておくべき手続きリスト
ここでは、最低限考慮しておくべき、市役所等での手続き内容を記載しています。必ずご自身の所属する市区町村の役所に確認してください。
出産時には、産婦人科等の診察券、母子健康手帳、健康保険証、印鑑、お金が必要になります。
近年は、補助金も多いので、必要に応じて確認が必要です。
必要な手続き例
以下に代表的な内容を記載します。
・母子健康手帳(母子手帳)を受け取る
市区町村役場または保健センターで交付してもらいましょう。
・産前産後休暇(産休)取得の準備
出産予定日6週間前から産前休暇が取れ、原則出産後8週間は働くことができません。
産休予定については勤務先と相談しておく必要があります。
・出産育児一時金・出産育児給付金の確認
あらかじめ産院で出産育児一時金の受け取り方を確認しておきましょう。支払いをどうするかにも影響が出ます。また、勤務先に出産育児給付金があるかを確認しておきましょう。
・出産手当金確認
勤務先の健康保険の被保険者期間が1年以上あるなど条件があるので、対象かどうか確認しておく必要があります。1年未満でも、今後を考え、会社が必要と判断し支払うと認めてくれれば、支払われる場合もありますので、相談してみてください。
・育児休業給付金の確認
雇用保険の加入者であることが条件ですので、対象かどうか確認しておきましょう。
・失業給付金の確認
出産を機に仕事を辞めて、その後再就職したいという場合は、「失業給付金」の申請をすることが可能です。出産の場合、最長3年間の受給延長があります。
出産準備に必要なものリストをチェックしよう
出産が初めてだと不安になるものですので、今後の流れや、ママとパパで連携して対応できるよう、以下を考えておくと不安感が下がります。
産院や助産院との連絡先や入院の手続きを確認する
産後のケアや育児についての情報を収集し、準備しておく
パートナーや家族と出産計画や育児の役割分担を話し合う
以下の必要なものを参考に、安定期に入ったら準備しておくのが無難です。
妊娠中特に必要なもの
妊娠中のママの身体や体調の変化に合わせて、以下を確認してみてください。
チェック | 必要なもの |
マタニティー用衣類(ショーツ、ブラジャー、ハーフトップ、ウェア、ソックス) | |
フラットシューズ(歩きやすく、転ばないように) | |
ケアクリームや保湿剤 | |
抱き枕(体調が悪い時に役立ちます) | |
パパの協力(必要です) |
産院に必要なもの
産院で用意のないものをあらかじめ聞いて準備しておくと安心です。
不足したり無かったりした場合は、パパやご両親にお願いすることもできますが、前もって準備しておくと不安がなくなります。
チェック | 必要なもの |
前あきのパジャマか寝巻き 複数枚 | |
タオル | |
ナプキン | |
腹帯かマタニティガードル | |
ティシューペーパー | |
ガーゼのハンカチ | |
産褥用ショーツ | |
帰宅時用のウエストを縛らない服 | |
下着複数組 | |
洗面用具 | |
スリッパ | |
母乳パッド | |
授乳用のブラジャー | |
すそよけや靴下などの衣類 | |
必要な書類や入院費用、健康保険証、印鑑 (産院に確認しましょう) | |
テニスボール(出産時に腰をぐりぐりします) |
退院時、赤ちゃんのために必要なもの
産まれた後、家まで帰るのに必要なものを確認しておくと安心です。
チェック | 必要なもの |
肌着 | |
長下着 | |
おくるみ | |
オムツ | |
ガーゼ |
家に戻った時に必要なもの
出産退院後に必要なものは、少しずつそろえておくほうが無難です。
慌てて準備すると良いことがないので、家の中のものの配置なども合わせて、入院前にあらかじめ決めておくと、帰った時に楽です。
安定期に入った際に、赤ちゃんをどこに寝かせるか(日の当たり方や風の通り方、目が届くか)、ご飯や夜の対応(赤ちゃんの近くに寝ての対応)をどうするか、危険がないか、お風呂をどうするかなど、赤ちゃんが来た時を想像して、配置を考えてみてください。
チェック | 必要なもの |
ベビーベッド | |
敷布団 | |
ベビー用体温計 | |
ベビー服 | |
防水シーツ | |
沐浴用ベビーバス | |
綿棒 | |
赤ちゃん用おしりふき | |
掛け布団 | |
温度計 | |
ベビー用つめ切り | |
紙おむつ(新生児用) | |
毛布 | |
バスタオル | |
哺乳瓶 | |
チャイルドシート | |
各カバー | |
ガーゼ | |
消毒綿 | |
ベビーカー | |
タオルケット | |
ベビー用せっけん | |
オムツ捨て |
こんなに買い揃えられないという方に
赤ちゃんを育てるには様々なものが必要になりますが、実際は数か月だったり数年しか必要のないものもたくさんあります。それだけ赤ちゃんの成長はあっという間です。
このため、全部新品をそろえるほど資金の余裕がないという方は、ぜひベビーレンタで、レンタルしてしまうというのも一つの手段です。
まとめ
これらの準備は、出産後の生活をスムーズにするだけでなく、安心感を与えるものです。出産前に時間をかけて準備を進め、心身ともにリラックスした状態で臨むことが大切です。
ただし、個々の状況や好みによって必要なアイテムや準備のタイミングは異なる場合があります。周囲と相談しながら、自身に合った準備を進めてくださいね。