子どもが自分で計画的に学ぶことは、将来の社会で必要な能力を身につけるために重要です。しかし、子どもが自分で学習の目標を設定し、進捗を管理することは簡単ではありません。親としては、どのように子どもをサポートすればよいのでしょうか？この記事では、学習の目標設定と進捗管理の方法について、心理学や教育学の知見をもとに解説します。
目標設定と進捗管理の3つのポイント
学習の目標設定と進捗管理の方法として、以下の3つのポイントをおすすめします。
- 子どもが自分で学習の目的や意義を見出せるようにする
- 子どもが自分で学習の計画やスケジュールを立てられるようにする
- 子どもが自分で学習の成果や反省を評価できるようにする
これらのポイントを実践することで、子どもは自己効力感や内発的動機づけを高め、学習に対する興味や関心を持ち続けることができます。親は、子どもの学習プロセスに関心を持ち、適切なフィードバックや励ましを与えることが大切です。
子どもが持続的に学習をするには
子どもが自分で学習の目的や意義を見出せるようにする
学習の目的や意義を見出すことは、学習に対する動機づけを高める要因です。動機づけは、外発的動機づけと内発的動機づけに分けられます。外発的動機づけとは、報酬や罰など外部から与えられる刺激によって行動することです。内発的動機づけとは、興味や楽しさなど内部から湧き上がる感情によって行動することです。一般的に、内発的動機づけの方が学習成果や持続性が高いとされています2。
子どもが自分で学習の目的や意義を見出せるようにするためには、親は以下のようなことができます。
- 子どもが学びたいことや興味・関心のあることを尊重し、選択肢を与える
- 子どもが学んだことが日常生活や社会で役立つことを具体的に示す
- 子どもが学んだことが自分自身の成長や夢につながることを伝える
例えば、「英語を勉強するのは、海外旅行や留学をするときに役立つからだよ」「英語を勉強するのは、好きなアニメやゲームの原作を読んだり、声優やクリエイターと交流したりできるようになるからだよ」「英語を勉強するのは、自分の考えや感情を世界中の人と共有できるようになるからだよ」などと話すことができます。
子どもが自分で学習の計画やスケジュールを立てられるようにする
学習の計画やスケジュールを立てることは、学習に対する自己効力感を高める要因です。自己効力感とは、自分が目標を達成できると信じることです。自己効力感が高いほど、学習に対する意欲や努力が増し、困難に直面しても挫折しない傾向があります。
子どもが自分で学習の計画やスケジュールを立てられるようにするためには、親は以下のようなことができます。
- 子どもが達成したい目標を明確にし、適切な難易度や期限を設定する
- 子どもが目標に向けて必要な行動や手順を具体的に考えさせる
- 子どもが計画やスケジュールを書き出し、見える化させる
例えば、「英検準１級に合格したい」という目標がある場合、「英検準１級の試験範囲や出題傾向を把握する」「英検準１級対策の教材や問題集を選ぶ」「英検準１級対策の教材や問題集を一通り終える」「英検準１級の模試を受けて点数や苦手分野を確認する」「苦手分野の復習や弱点克服のための追加学習を行う」などの行動や手順を考えさせます。そして、「英検準１級対策の教材や問題集を一通り終える」までには3ヶ月、「模試を受けて点数や苦手分野を確認する」までには4ヶ月、「苦手分野の復習や弱点克服のための追加学習を行う」までには5ヶ月かかるという期限を設定します。そして、これらの計画やスケジュールをカレンダーやノートなどに書き出し、目につく場所に貼り付けます。
子どもが自分で学習の成果や反省を評価できるようにする
学習の成果や反省を評価することは、学習に対するメタ認知能力を高める要因です。メタ認知能力とは、自分自身の認知プロセス（思考や記憶など）について理解し、制御し、改善しようとする能力です。メタ認知能力が高いほど、学習方法や学習効果を自分で調整でき、学習に対する自信や満足感が増します。
子どもが自分で学習の成果や反省を評価できるようにするためには、親は以下のようなことができます。
- 子どもが目標達成のために行った行動や手順を振り返らせる
- 子どもが目標達成のために使った時間や資源を確認させる
- 子どもが目標達成のために得た結果や感想を聞く
例えば、「英検準１級に合格したい」という目標がある場合、「英検準１級対策の教材や問題集をどのように勉強したか」「英検準１級対策の教材や問題集を勉強するのにどれくらいの時間やお金をかけたか」「英検準１級対策の教材や問題集を勉強した後、どんな点数や感想が出たか」などと話すことができます。
子どもが計画的に学ぶためには
子どもが自分で計画的に学ぶために必要なことは、学習の目標設定と進捗管理の方法です。親は、子どもが自分で学習の目的や意義を見出せるようにする、子どもが自分で学習の計画やスケジュールを立てられるようにする、子どもが自分で学習の成果や反省を評価できるようにするという3つのポイントを実践することで、子どもの学習能力や学習意欲を育てることができます。子どもの学習プロセスに関心を持ち、適切なフィードバックや励ましを与えることも忘れずに行ってください。