1日の食事回数は3回と言われる理由と食事回数の選び方

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なぜ食事は1日3回なのか、あらためて考えたことのない方も多いのではないでしょうか。ここでは、基本的に1日の食事回数が3回といわれている理由を解説し、さらに適切な食事回数の選び方についても紹介します。

目次

1. 江戸時代、全国的に広まった1日3食

江戸時代中期までは、1日2食が基本だったといわれています。
ではそれ以前がどうだったかというと、例えば、鎌倉時代の武士たちは基本的には一日二食でしたが、訓練や実戦には軽い食事を持参して、おなかがすくと食べていました。このとき重宝したのがおにぎりです。鎌倉時代初期の1221年に発生した承久の乱の際には、鎌倉幕府が武士に梅干し入りのおにぎりを配ったといわれています。この頃、海外に留学していた日本の僧たちは、海外の1日3食の伝統を受けて、自分たちも1日3食を食べ、それが公家を中心に広がったとされています。しかし文化となるのはまだ先の話になります。

江戸時代に入り、幕府主導で菜種油の原料となる菜種の増産を開始します。菜種油は、これまでの油に比べて、明るいという基本的なメリットのほか、臭いが改善されて家の中でも使用できるたり、生産も菜種自体が稲作の裏作で栽培できるなど、様々なメリットがありました。栽培量が増えれば、流通量に合わせ、油の価格が低下するのはいつの時代も同じです。現代で言えば、電気代が安ければ、電気つけっぱなしでも安心して夜中まで何かをするのと同じです。
そうして、良質の油が庶民にも手に入りやすくなると、夜も遅くまで起きているようになり、活動時間が伸びていきました。油の増産は、天ぷらなどの食文化にも影響を及ぼしていきます。

1657年に起こった「明暦の大火」以降、焼けた町の復興のために職人が江戸に集結し、食の事情が変わってきました。肉体労働のため1日2食では体がもたず、昼過ぎにも食事を提供するようになったというのが一つの説です。文化の発祥の地でもあった江戸での出来事とともに、復興のために集まり、1日3食を食べながら仕事を終えた職人たちが、日本各地に戻っていくことになります

昭和初期には、国立栄養研究所の研究者である佐伯博士が1日3回食事を奨励しました。日本人の体格が欧米人に比べ小さいことから、摂取カロリー不足が原因であると考えられました。カロリーを計算した結果、1日2食では到底摂取しきれないカロリーが必要であり、1日3食が理想的であると発表されました。

2. 1日に必要なカロリーとは?

健康を維持するためには、1日に必要なカロリーを把握することが重要です。性別や年齢、身体活動レベルによって異なる推定エネルギー必要量を「日本人の食事摂取基準(厚生労働省)」から紹介します。適切なカロリー摂取量の理解は、バランスの取れた食事への意識を高める助けになります。

日本人の食事摂取基準(2020) エネルギーより

身体的性別男性女性
身体活動レベルIIIIII
18〜29(歳)230026503050170020002300
30〜49(歳)230027003050175020502350
50〜64(歳)220026002950165019502250
65〜74(歳)205024002750155018502100
75以上(歳)1800210014001650

身体活動レベル (参考資料:表6)
I:生活の大部分が座位で、静的な活動が中心の場合
II:座位中心の仕事だが、職場内での移動や立位での作業・接客等、通勤・買い物での歩行、家事、軽いスポーツのいずれかを含む場合
Ⅲ:移動や立位の多い仕事への従事者、あるいは、スポーツ等余暇における活発な運動習慣を持っている場合

体重によって必要なカロリーは前後しますので、興味がある方は日本人の食事摂取基準(2020)を確認してみてください。

3. 正しい食事回数は1日何回がよいのか?

現代においては、多様なライフスタイルを背景に、1日の食事回数は、個々の体質やライフスタイルによって大きく異なります。そして、一週間すべて同じというわけにもいきません。
例えば、平日はデスクワークでほぼ座ったまま、土曜日は子供とスポーツをやり、日曜日は比較的家でゆっくり、というスタイルだと、平日と土曜日、日曜日で、同じ量を毎日食べると、週の中で摂取量が不足したり過剰になったりしてしまいます。

3.1 平均的には1日3回食事をすることでバランスよく食べられる

一般的に推奨される方法で、朝食・昼食・夕食の3回の食事を摂る方法です。食事を3回に分けることで、食欲のコントロールや栄養バランスの確保がしやすくなります

3.2 1日2回以下の食事は短期的に行うのがおすすめ

1日のうち、1回または2回のみとするのは、主に断食や特定のダイエット法で行われることがあります。一般的にはバランスの取れた栄養摂取が難しく、代謝率が低下する可能性があります。あるいは、反動で一回に食べ過ぎてしまい逆に不健康になる場合もあります。

一方で、最近では胃腸を休めるために、食事をしない時間を作ることで、健康的になったり、やせたりという報告もあります。(98キロの私が1年で40キロやせた 16時間断食(アスコム))

何事もやりすぎず、健康を考えて行うのが重要です。

3.3 1日4回以上の食事はどうか

主にスポーツ選手や筋トレを行う人が、食事を4回に分けることで、筋肉の合成を促進し、エネルギー補給や栄養素の吸収を効率的に行う場合があります。また、食事ではなく、合間に軽食やスナックを摂る方法もあります。食事回数を増やすことで、空腹感を抑えながら適切なカロリー摂取が可能になります。ただし、適切な食事内容と食事間の時間管理が重要です。

4. 食事で考えるべきまとめ

食事回数は個人の体質や目標に合わせて選ぶべきです。一般的には1日3回の食事が推奨されていますが、他の選択肢も考慮する価値があります。以下に考えるべきことをまとめます。

  1. 目標の設定: 食事回数を見直す前に、自身の目標を明確にしましょう。体重管理や健康維持、筋力増強など、個々の目的に応じて食事回数を決定します。
  2. ライフスタイルの考慮: 自分の日常生活やスケジュールに合わせて、どのくらいの頻度で食事を摂ることができるかを考えます。忙しい人は1日3回の食事が難しい場合もありますが、その場合は別の選択肢を検討することも重要です。
  3. 食事内容の見直し: 食事回数を変更する場合は、食事内容にも注意が必要です。バランスの取れた栄養摂取を心掛けましょう。健康的な食事の基本的な要素として、野菜、タンパク質、炭水化物、脂質のバランスが重要です。
  4. 少しずつ変化を加える: 食事回数を変更する場合は、一度に大幅な変化を加えるのではなく、徐々に調整していくことが望ましいです。体が適応しやすくなり、健康に無理なく食事回数を調整することができます。
  5. 個別の相談: 食事回数の見直しに関して、栄養士や医師に相談することをおすすめします。個々の体質や健康状態を考慮して、最適な食事回数や方法を提案してもらえます。

食事回数は個人によって異なるため、自分に最適な食事回数を見つけることが重要です。健康な食生活を送るためには、食事回数だけでなく、バランスの取れた食事や適切な運動も合わせて考えましょう

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