この記事では、あらゆる場面で本質を見抜くために必要な考え方であるクリティカルシンキング(批判的思考)について解説します。
こんな課題をお持ちではないでしょうか?
- クリティカルシンキング・批判的思考を簡単に、わかりやすく知りたい
- クリティカルシンキングのメリット、デメリットは?
- ロジカルシンキングとの違いについて知りたい
- クリティカルシンキングを鍛えるには?
こんな疑問をお持ちの方は、最後までこの記事を読み進めることをおススメします!
クリティカルシンキングとは何か
クリティカルシンキングは根拠を持って判断する力
クリティカルシンキング(批判的思考)とは、情報をただ受け入れるのではなく、論理的に評価し、疑問を持ち、根拠に基づいて判断する能力です。
クリティカルシンキングは、情報が溢れる現代社会において、正確な情報を選び出し、効果的な意思決定を行うために非常に重要です。
例えば、ニュース記事や拡散された動画などを読む際に、情報の信頼性を評価し、事実と意見を区別することが求められます。
某国の大統領がどこどこの島で、夜な夜な密会をしているという情報があったとして、写真も本人が写っている。
しかし、一国の大統領が漁船に乗って島に一人で漕いでいく様子であったらどうでしょう。
まず、大統領がSPもつけずに、そもそも一人で漁船に乗るような現実があるでしょうか?
そして、写真の加工技術は、今のAI技術があれば、声だったり顔だったりをすぐ変えられます。
ではなぜこのような情報が出回るのかまで考えると、選挙が近いので足を引っ張りたいなど、仮説を立てて、情報と照らして、正しい内容を導き出していきます。
そのような、目の前の情報だけでなく、後ろに隠れた情報にも目を向けて、本質に迫っていくのが、クリティカルシンキングの醍醐味だと私は思います。
現実的な情報や確からしい情報、可能性などを考慮し、誤った情報に惑わされず、適切な判断ができるようになります。
つまり、クリティカルシンキングは情報を吟味し、信頼性を評価し、根拠に基づいた結論を導き出すための重要なスキルです。
クリティカルシンキングは客観的に最も信頼できる結論を導くもの
クリティカルシンキングをもう少し分かりやすく具体的な説明をすると、受け取った情報を疑い、データを整理し、それを分析し、仮説を立て、評価する能力です。
これは、誤った情報や偏見に惑わされずに正確な判断を下すために不可欠です。
クリティカルシンキングを用いることで、個人や社会全体がより健全な意思決定を行うことができます。
たとえば、広告を見るとき、商品の効果をそのまま信じるのではなく、実際のデータや他のユーザーのレビューを調べることで、広告の内容が信頼できるかどうかを判断します。
すぐに効果に飛びつくのではなく、まず広告自体は対象のものを広めるためのものなので、本当に科学的根拠があるのか、実際に使用した人のレビューはどうか、などを総合的に考慮に入れて、評価することになります。
クリティカルシンキングは情報を批判的に評価し、最も信頼できる結論に到達するための重要な思考プロセスです。
クリティカルシンキングを実践するには
クリティカルシンキングは適切に使用する勘所も必要
クリティカルシンキングには多くのメリットがありますが、デメリットも存在します。
メリットとしては、情報の信頼性を評価する能力が向上し、より良い意思決定ができるようになる点があります。
しかし、一方で、クリティカルシンキングを過度に使用すると、情報の受け入れに時間がかかりすぎることや、過度に疑い深くなるリスクもあります。
例えば、ビジネスの意思決定においてクリティカルシンキングを用いると、投資のリスクをより正確に評価できるため、成功の確率が高まります。
しかし、すべての情報を疑いすぎると、意思決定が遅れ、チャンスを逃す可能性もあります。
クリティカルシンキングは、多くの利点を提供しますが、バランスよく使用することが重要です。
ロジカルシンキングとの違いは思考の広がり
クリティカルシンキングとロジカルシンキングは関連していますが、異なる概念です。
ロジカルシンキングは、前提から結論までの過程を論理的に構築する能力を指します。
前提から結論までがつながっているイメージです。
一方、クリティカルシンキングは、その論理が正しいかどうかを評価し、検証する能力を指します。
ただし、クリティカルシンキングの過程で、論理が矛盾しては意味がないので、ロジカルシンキングを使って思考がつながっていることを考えるのも重要なプロセスです。
例えば、数学の問題を解く際に、ロジカルシンキングは解法を論理的に進めるプロセスです。
クリティカルシンキングは、その解法が正しいかどうかを検証し、他の可能性を考慮するプロセスです。
他のプロセスを考慮した場合、再びロジカルシンキングが必要になることは言うまでもありません。
要するに、ロジカルシンキングは論理的なプロセスを構築し、クリティカルシンキングはそのプロセスを評価する役割を果たします。
クリティカルシンキングを鍛えるには意識して物事を見る
クリティカルシンキングを鍛えるためには、継続的な練習と意識的な努力が必要です。
この思考法を習得するためには、情報を受け取るたびにその信頼性を疑い、根拠を求める習慣を身につけることが重要です。
例えば、日常的にニュースを読む際に、複数のソースを比較し、情報の一致点や相違点を確認することで、クリティカルシンキングを鍛えることができます。
また、ディベートや議論に参加し、自分の意見を論理的に主張し、他者の意見を批判的に評価することも効果的です。
継続的な練習と意識的な努力を通じて、クリティカルシンキングのスキルを向上させることができます。
クリティカルシンキングの例題を見つけて考えてみる
クリティカルシンキングを実践するための例題を通じて、その具体的な適用方法を学ぶことも重要です。
具体的な例題に取り組むことで、理論だけでなく実際の問題解決能力が向上します。
例えば、「ある会社の新製品が市場で成功するかどうか」を評価する際に、以下の質問を考慮します。
- 製品の品質はどうか?
- 顧客のニーズに合っているか?
- 競合製品と比べて優位性があるか?
- 市場調査のデータは信頼できるか?
これらの質問に対する答えを検討し、根拠に基づいた結論を導き出すことがクリティカルシンキングの練習になります。
具体的な例題を通じて、クリティカルシンキングのスキルを実践的に鍛えることができます。
まとめ|クリティカルシンキングで本質を見抜く
何であの人はこんな発想ができるんだろう、あの人の考えは深いなぁ、と思った経験はありますでしょうか。
考え方の発想力、展開力、そして何が最適なのかを導く力、これらはすべてクリティカルシンキングで本質をついているからに他なりません。
クリティカルシンキングのトピックを以下にまとめておきます。
- 何を考えるべきか
- 自分が思っている考えるべきことは、本当にそれでいいの?
- もっと必要な前提があるのではないか
- ロジカルシンキング
- 背景から結論までをつなげる
- 仮説思考
- 根拠を探すために仮説を立てて検証する
以上の内容を念頭に、本質に迫る鍛錬を日々行いましょう。
クリティカルシンキングのケースが多く載っている下記の書籍も是非参考にしてくださいね!
ご参考|クリティカルシンキングで使うツール
- 演繹法:一般論と事実から、新たな真理を見つける
- 帰納法:共通点から真理を見つける
- フレームワークとMECE:論理展開するのにもれなくダブりなく分解された項目で広げていく
- 「だから?(So what?)」と「どうして?(Why so?)」:主張と根拠をつなげる
特にクリティカルシンキングで論理展開するときに、うまく要素を分解していくことが重要になります。
例えば、「売上を増やすにはどうしたらよいか」と一般的な問いを考えた時、分解の仕方はいくらでもあり、それは考えている前提によって変わってきます。
- 売上高 = 販売数量 × 客単価
- 売上高 = 顧客数 × 客単価 × 営業日数 × 店舗数
- 売上高 = 販売数量 × 販売単価
小売りだったり、サービスだったり、様々な前提の中で、どれを選ぶかは自分が何を考えたいのかで決まってきますので、何を解決したいのかという本質に目を向けて考えてみましょう!
より具体的な内容を知りたい方は、下記の書籍も参考にしてください!