みなさんは、何であの人はこんな発想ができるんだろう、あの人の考えは深いなぁ、と思った経験はありますでしょうか。私は何度もあります。ではなぜ、自分にできないのか、才能がないからなのか。
それは違いました。考え方の発想力、展開力、これらはすべて習得できる技術です。もう少し言えば、緊張する、不安になる、それらでさえ、コントロールできる技術として、習得が可能だと言っておきます。
ビジネスシーンに限らず、いつもの平穏な日常の一コマでさえ、決断を早くして時間を有意義に使うことができるようになると思います。人よりも多くアイデアを出して周りに認められる、人よりも問題の解決を早くして有意義な時間を過ごす、ということを可能にする考え方を分かりやすく紹介していこうと思います。
1. 考え方の始点と終点
まず何かを考えるとき、問題、課題、疑問、迷い、そんなものがあると思います。どんな小さなものでも、考える必要がある場合に、始点の問いがあり、終点の結論として何をどうするのか、があります。
2. クリティカルシンキングのススメ
クリティカルシンキングという言葉を聞いたことがある方はいると思います。
クリティカルシンキングが訳されて、批判して考える思考法でしょ、と考えるのは早計です。
クリティカルの基礎となる意味は、「欠点を見つける」ということです。
「批判して考える」ことと「欠点を見つける」ことは、根本的に違うことがあります。それは、「批判して考えること」は考えるで終わっていますが、「欠点を見つける」では、どこに問題があるかを明確化するということです。考えるで終わってしまったら、結局結論までいきませんよね。考えるのが目的ではなく、考えて結論をもって実行することで、やりたかったことをやる、それがクリティカルシンキングです。
クリティカルシンキングというツールを使って、やるべきことを的確にやるために、ベースとして3つの思考を行っていきます。
- それを考えるべきか~自分が思っている考えるべきことは、本当にそれでいいの?もっと必要な前提があるのではないか。
- ロジカルシンキング~主張と根拠を考える
- 根拠を探すために仮説を立てて検証する~仮説思考
以上のプロセスを実施するのに以下のような考え方を使っていきます。簡単に説明します。
- 演繹法:一般論と事実から、新たな真理を見つける
- 帰納法:共通点から真理を見つける
- フレームワークとMECE:論理展開するのにもれなくダブりなく分解された項目で広げていく
- 「だから?(So what?)」と「どうして?(Why so?)」:主張と根拠をつなげる
特にクリティカルシンキングで論理展開するときに、うまく要素を分解していくことが重要になります。
例えば、「売上を増やすにはどうしたらよいか」と一般的な問いを考えた時、分解の仕方はいくらでもあり、それは考えている前提によって変わってきます。
- 売上高 = 販売数量 × 客単価
- 売上高 = 顧客数 × 客単価 × 営業日数 × 店舗数
- 売上高 = 販売数量 × 販売単価
小売りだったり、サービスだったり、様々な前提の中で、どれを選ぶかは自分が何を考えたいのかで決まってきます。
3. クリティカルシンキングを使っていくために
考え方として学ぶことは重要ですが、もっと重要なことがあります。それはもちろん、自分が何をしたいからこの考え方を学ぶのか、そして、考えを広げるためには知識が必要であるということです。問いを分解する、主張と根拠をつなげる、仮説を考えて検証して根拠とする、これらを行うには、全て知識が必要ですので、日々学んでいきたいと思います。