この記事では、STEAM教育とはどんな教育かを深堀り解説していきます。
STEAM教育とは、STEAM教育では、Science(科学)、Technology(技術)、Engineering(工学)、Art(芸術)、Mathematics(数学)の5つの分野の頭文字を集めた教育です。
こう聞いて、もし単純に学校の理系の勉強の延長線上だ、と思ってしまったら、非常にもったいないことをしています。
STEAMの単語の意味にとらわれると本質を見失ってしまいます!
STEAM教育の本質は、単純な分野を学ぶということではなく、将来的に社会の様々な分野で活躍できる人材を育成することです。
さて、それは一体どういうことなのか?
STEAM教育の本質に迫ってみたいと思います。
そもそもSTEAM教育って何?
STEAM教育の本質とは?
STEAM教育の本質は、「色々な視点を持った思考力と創造力を育むこと」だと言えます。
STEAM教育では、Science(科学)、Technology(技術)、Engineering(工学)、Art(芸術)、Mathematics(数学)の5つの分野を統合して学んでいくことになります。
これらの分野は、それぞれが独立したものではなく、相互に関連しています。
そしてその過程では、他人と協力して進めたり、議論を戦わせながら進めたりすることも含まれます。
つまり、STEAM教育は、新たな価値を生み出す創造力や、アイデアを深める批判的思考力、他人とコラボレーションして進めるコミュニケーション能力、変化に対応する適応力・柔軟性、そして今も既に必要となっているデジタルリテラシーを、総合的に育てるものです。
知識よりも思考力や対応力といったVUCAな時代に必要な能力を鍛えたいということですね
それでは各要素を少し細かく見ていきたいと思います。
創造性とイノベーションの促進
芸術・アート思考と、科学技術分野の創造的な思考を融合させ、新しいアイデアや解決策を生み出す能力を養います。
未来の世界では、これまでにない問題に直面することが増えるため、創造的で革新的なアプローチが求められます。
批判的思考力
STEAM教育は、情報を分析し、論理的に考え、批判的な思考、いわゆるクリティカルシンキングを使いながら、問題を解決するための力を養います。
これはデータが豊富で複雑化する未来において、極めて重要な能力です。
コラボレーション
集団で行うプロジェクトベースの学習を通じて、協力して作業を進める経験を積みます。
多様なバックグラウンドを持つ人々と協力する能力は、グローバル化が進む未来社会において不可欠です。
柔軟性と適応性
STEAM教育は変化に対応する能力を育てます。
技術や環境が急速に変わる中で、新しい状況に適応し、学習し続ける柔軟性は生涯にわたって価値のあるスキルです。
デジタルリテラシー
現代社会ではデジタル技術が無くてはならないものとなっており、これを理解し、適切に使用する能力が求められます。
STEAM教育では、これらの技術を効果的に活用する方法を学びます。
STEAM教育が解決しようとしている課題ついて
AIの進化する世界において、自分の意志を持って、新しいことを生み出せる人材の育成が、あらゆる分野で必要になっています。
AIやIoTなどの技術は、私たちの生活をさらに大きく変える可能性を秘めています。
しかし、これらの技術を使いこなすためには、基本的な知識と、どう使っていくかという創造性と問題解決力が欠かせません。
STEAM教育は子どもの自立心を育てる
STEAM教育には、以下のメリットがあります。
- 将来の社会で活躍するために必要なスキルを身につけることができる
- さまざまな分野に興味を持ち、好奇心を育むことができる
- 課題解決力を身につけ、主体的に行動できるようになる
これらの内容から分かるように、好奇心を持ち、自分で考え、コミュニケーションをとり、主体的に活動する、自立心が育ちます。
これは、子を持つ親として、子どもが一人でも生きていけるように自立させるという意味で非常に重要なことだと思います。
これまでの教育では新しいことが生み出せない!?
これまでの教育課題として、以下のようなものが挙げられます。
- 知識偏重型教育による創造力の低下
- 理数系離れによる技術者不足
- グローバルの多様性の理解不足
特に、日本の昔からの教育では、先生が絶対的な知識を持ち、生徒は主に先生から知識を得るということが行われてきました。
そのすべてが悪いとは言いません。むしろ、日本の子どもの教育レベルは世界でも非常に高い結果が出ています。
しかしながら、この教育方法だけでは、新たなアイデアを生み出す力が育たなかったり、一方的に教わるだけの環境で、自ら考える力が低くなってしまい、言われるがままSNSの犯罪などにも巻き込まれてしまうかもしれません。
また、学校で学ぶ知識やスキルは、あくまでも基礎的なものです。集団活動の中で学べるものはありますが、教科書を通じて同じものを見て同じことを学ぶ中で、子どもの創造力や問題解決力を育むことは難しいでしょう。
今この瞬間も技術革新や新しいアイデアが生まれています。子どもが未来を生き抜くために、必要なのは、創造力や問題解決力などの非認知能力です。
未来を生きる子どもに教えたい教育とは?
現代社会は、テクノロジーの進歩やグローバル化など、さまざまな変化が加速しています。
このような変化に対応していくためには、子どもには、従来の知識やスキルに加えて、新たな力が求められます。
では、未来を生きる子どもに必要な教育とは、どのようなものなのでしょうか。
そもそも未来に必要な教育とは?
創造力と問題解決力
変化の激しい時代には、新しいアイデアや解決策を生み出す力が求められます。
そのため、子どもは、創造力と問題解決力を育む教育を受けることが重要です。
創造力とは、新しいものを生み出す力です。
問題解決力とは、課題を解決するための力です。
これらの力は、STEAM教育(Science, Technology, Engineering, Art, Mathematics)によって育むことができます。
子どもがさまざまな分野の知識やスキルを身につけながら、創造力と問題解決力を育むことができます。
コミュニケーション能力と協調性
グローバル化が進む社会では、さまざまな人とコミュニケーションをとり、協調して仕事を進めることが求められます。
そのため、子どもは、コミュニケーション能力と協調性を育む教育を受けることが重要です。
コミュニケーション能力とは、自分の考えや気持ちを相手に伝える力です。
協調性とは、他人と協力して物事を成し遂げる力です。
これらの力は、さまざまな体験や活動を通して育むことができます。
子どもは、学校での勉強だけでなく、アルバイトやボランティアなど、さまざまな経験を通して、コミュニケーション能力と協調性を育むことができます。
また、英語教育も、世界とコミュニケーションするのに必要なスキルの一つです。
主体性と自律性
変化の激しい時代を生き抜くためには、自分で考え、行動する力が求められます。
そのため、子どもは、主体性と自律性を育む教育を受けることが重要です。
主体性とは、自分の考えや意志を持って行動する力です。
自律性とは、自分で自分の行動をコントロールする力です。
これらの力は、家庭での育て方や学校での教育によって育むことができます。
家庭では、子どもの自主性を尊重し、自分で考えて行動する機会を与えることが大切です。
学校では、子どもが主体的に学習できるような環境を整えることが大切です。
STEAM教育は、未来に必要な能力を育むために設計されている
未来を生きる子どもに必要な教育は、創造力と問題解決力、コミュニケーション能力と協調性、主体性と自律性の3つです。
これらの力を育むためには、STEAM教育やさまざまな体験や活動を通して、子どもをサポートすることが大切です。
親御さんは、子どもの将来をしっかりと考え、子どもが必要な力を身につけることができるような教育環境を整えてあげましょう。
では実際にどうしたらいいでしょうか?
子どもの教育は家庭により多種多様
子どもの教育は、親にとって大きな関心事です。
子どもが将来、幸せで充実した人生を送るために、どのような教育を受けさせるべきか、悩んでいる親は少なくないでしょう。
しかし、子どもの教育には正解がなく、家庭によって異なる考え方や方法があります。
そのため、子どもの教育について悩んでいる親は、まずは自分の考えや価値観を整理することが大切です。
子どもの個性や興味・関心を尊重する
子どもの教育を考える際には、まず子どもの個性や興味・関心を尊重することが大切です。
子どもは一人ひとり異なる個性を持っており、それぞれに興味や関心があることを忘れてはいけません。
子どもの個性や興味・関心を尊重した教育を行うことで、自分の好きなことや得意なことに打ち込むことができ、自信や達成感を育むことができます。
親の価値観や考え方が反映される
子どもの教育は、親の価値観や考え方が反映されます。
子どもは、目についたものしか興味を持つことができません。当たり前です。まだ世界の多くを知らないからです。
親がどのような大人になってほしいのか、どのような社会を生きてほしいのか、という思いを教育に反映させることで、子どもの将来に役立つ教育を行うことができます。
例えば、親が「子どもに自立心を身につけてほしい」と考えるのであれば、子どもが自分で考え、行動することを促す教育法が適しているでしょう。
具体的な教育法にはどんなものがある?
子どもの教育には、さまざまな方法があります。ここでは、代表的な教育法をいくつかご紹介します。
- モンテッソーリ教育
- 子どもの自主性を重んじ、子どもが自ら学び、成長することを促す教育法
- 教室には、子どもが自由に触れて遊べる教具が用意されている
- シュタイナー教育
- 芸術や音楽を重視し、子どもの創造性や感性を育む教育法
- 自然や芸術に触れる機会を多く設ける
- レッジョ・エミリア教育
- 子どもの興味や関心を大切にし、子どもが主体的に学ぶことを促す教育法
- 子どもが自由に表現できる環境を整える
これらの教育法は、それぞれに特徴やメリットがあります。
子どもの個性や興味・関心、親の価値観や考え方に合わせて、最適な教育法を選ぶことが大切です。
そして、これらの教育法は、すべて現在のSTEAM教育につながっていることが非常に興味深い点です。
家庭養育での親の役割
子どもの教育は、家庭と学校の両方で行われます。
しかし、家庭教育は学校教育よりも、子どもの成長に大きな影響を与えると言われています。
家庭教育での親の役割は、大きく分けて以下の3つです。
自己肯定感を育むこと
子どもの自己肯定感は、家庭教育によって大きく左右されます。
親が子どもを認め、肯定することで、子どもは自分の価値を知り、自信を持って成長することができます。
好奇心を育むこと
好奇心は、学びの原動力です。
親が子どもの好奇心を刺激することで、子どもはさまざまなことに興味を持ち、自ら学ぶようになります。
学ぶ楽しさを教えること
学ぶことは、苦しいものではありません。
親が子どもに学ぶ楽しさを伝えることで、子どもは勉強を積極的に取り組むようになります。
家庭教育の重要性
家庭教育が重要である理由は、以下の3つです。
学校教育では伝えきれない部分を補うことができる
学校教育では、限られた時間の中で、すべての子どもに同じ教育を施すことが求められます。
そのため、子どもの個性や興味・関心を十分に理解した教育を行うことが難しい場合があります。
家庭教育では、子どもの個性や興味・関心に合わせた教育を行うことができます。
実際、興味のあることは1日中やっていることもあり、それを見つけて上げられると親としても非常にうれしいですよね。
子どもの価値観や生き方を育むことができる
学校教育では、知識やスキルを身につけることを中心に考えられています。
しかし、子どもが将来、幸せで充実した人生を送るためには、知識やスキルだけでなく、価値観や生き方も大切です。
家庭教育では、子どもの価値観や生き方を育むことができます。
子どもとの信頼関係を築くことができる
家庭教育は、親と子どもが一緒に過ごす中で行うものです。
親と子どもが一緒に過ごすことで、親子の信頼関係が築かれます。
親子の信頼関係が築かれることで、子どもは親に相談したり、助けを求めたりしやすくなります。
自己肯定感を育むことで、子どもは学校の授業にも積極的に取り組むようになります。
また、好奇心を育むことで、子どもは学校で学ぶ内容にも興味を持って取り組むようになります。
さらに、学ぶ楽しさを教えることで、子どもは学校での学びをより深く理解することができます。
つまり、家庭教育で自己肯定感を育むこと、好奇心を育てること、学ぶ楽しさを教えることは、学校の教育を何倍にも効果的にしてくれるのです。
では実際何をすればいいのでしょう
具体的にSTEAM教育とは、どんなことをやるの?
あえて5つの分野に分けて、内容を整理してみます。
ここまで読んでいただければ分かると思いますが、これらを組み合わせて、創造力や問題解決能力、批判的思考力を学んでいくのがSTEAM教育です。
S:Science(科学)
- 自然現象や物理法則を学ぶ
- 実験や観察を通して、科学的な思考力を育む
- 科学的な知識を活用して、新しいものを生み出す
T:Technology(技術)
- コンピューターやロボットなどの技術を学ぶ
- 技術を活用して、課題を解決する
- 技術を創造的に活用する
E:Engineering(工学)
- 設計や開発のプロセスを学ぶ
- 技術を活用して、新しいものを作り出す
- 問題を解決するためのシステムや仕組みを考える
A:Art(芸術)
- 美術や音楽などの芸術を学ぶ
- 創造性や表現力を育む
- 新しいアイデアを生み出す
M:Mathematics(数学)
- 数学的な概念や法則を学ぶ
- 数学的な思考力を育む
- 数学を活用して、新しいものを生み出す
STEAM教育を通して創造力や問題解決能力、批判的思考力を学んでいく
具体的な例としては、以下のようなものが挙げられます。
- 身近な問題を解決するためのロボットを作る
- 絵画や音楽を通して、新しいアイデアを表現する
- プログラミングを使って、ゲームやアプリを作る
- 自然の摂理を理解し、環境問題の解決策を考える
- 多様な文化や価値観を理解し、新しい価値観を生み出す
STEAM教育は、学校教育だけでなく、家庭教育でも取り入れることができます。
親子で一緒にSTEAM教育に取り組むことで、子どもの創造力や問題解決力を育むことができます。
家でSTEAM教育を行う際のポイント
家でSTEAM教育を行う際のポイントは、以下のとおりです。
- 子どもの興味や関心を尊重する
- 子どもが興味のあることに取り組むことで、学習意欲が高まります。
- 子どもが主体的に取り組める環境を整える
- 子どもが自ら考え、行動することで、効果的に学ぶことができます。
- 失敗を恐れない
- 失敗は学習の過程です。失敗を恐れずにチャレンジさせることが大切です。
家庭でSTEAM教育を試してみるには
STEAMをお手軽に始めるには以下のSTEAM教育教材をおうちに届けるサービスもありますので、ぜひ利用してみてください!
まとめ
STEAM教育は、子どもが将来社会で活躍するために必要な力を育むための重要な教育方法です。
家でSTEAM教育を行うことで、子どもが自ら考え、行動する力を育むことができます。
子どもの興味や関心に合わせて、さまざまな方法でSTEAM教育を取り入れてみましょう。